アスベストの解体の注意点は?
アスベストの解体作業を行う際には、非常に多くの注意点があります。
アスベストは、その繊維が空気中に飛散し、それを吸引することで健康被害を引き起こす危険性があるため、解体には慎重な対応と法令遵守が求められます。
まず、解体前には建物にアスベストが使用されているかどうかの事前調査を実施する必要があります。これは、建築物石綿含有建材調査者などの有資格者が行うこととなり、解体や改修工事に着手する前に届け出も必要です。届け出先は労働基準監督署や自治体で、作業開始の14日前までに提出することが義務付けられています。
アスベストが含まれていることが判明した場合には、必ず専門の技術を持つ業者に依頼する必要があります。一般的な解体業者では対応できないため、特別管理産業廃棄物としての扱いや飛散防止対策などを確実に行える業者に依頼します。
作業は密閉された環境下で行い、負圧除塵装置や集じん機を使用しながら、湿潤化処理を施すなどして粉じんが飛散しないよう最大限の配慮を行います。作業員は保護服や防塵マスクを着用し、作業終了後には必ず除染手順を踏まねばなりません。
さらに、アスベスト解体作業では周辺住民への配慮も不可欠です。
事前に工事の説明や告知を行い、飛散の可能性を最小限にする工法を選択しながら、近隣への影響を抑えるようにします。工事現場にはアスベスト飛散防止措置が講じられていることを示す掲示を行い、万が一の飛散事故に備えて、監視体制の強化や空気環境測定も必要です。また、アスベストを含む廃棄物は適切に密閉し、特別な処分場に運搬・処理する必要があります。
このように、アスベストの解体は通常の解体作業と比べてはるかに高度な注意と対策が求められ、作業に関わる全ての人が正しい知識と法令遵守の意識を持つことが重要です。
2025.05.20